HITAC-10II core memory board

non object

HITAC-10IIのCPUに引き続き、コアメモリの基板をお見せします。たった1枚で4 KWordの大容量メモリです。まず、全体の写真を。
HITAC-10II core memory with cover
ぱっと見てわかるでしょうか。普通のICばかりが並んでいるCPU基板と違って、茶色っぽい抵抗やコンデンサがびっしりとついていることが。後で部分拡大しますが、デジタル回路にはなかなか見えません。虎の子のコア本体は別基板で組み立てられ、ベークライト板でガードしてあります。

そのベークライト板をはずすと、コアの並びが見えてきます。全体の基板サイズは先ほどのCPU基板と同じで37 cm×35 cmですから、大きさの参考にしてください。ここに約7万個のコアが並べられているのです。
HITAC-10II core memory

しかし、コアが見えませんから、一部を拡大してみます。
HITAC-10II core memory array zoom
この長方形グループの中に64×32個のコアが含まれています。コアの直径は0.4 mm弱(14 mil径かもしれない)、この基板全体では約7万個のコアが使用されていて、4 KWord (16 bit + parity 1 bit)のメモリシステムを構成しているのです。

HITAC-10II core memory array and diode switches
これがコアメモリアレイとダイオードマトリクススイッチの一部。ダイオードを通してコアに通された電線にパルス電流を流してアクセスする。

HITAC-10II core memory driver 1
コアメモリアレイの下に見えたメモリドライバの拡大。トランジスタに放熱器が取り付けられていますね。下側の小さな黒いサイコロ型の部品はパルストランスです。パルストランスとトランジスタの間にはダイオードがたくさん並んでいます。ここだけ見ていると、メモリ回路の一部でなくてドットインパクトプリンタの駆動回路とか、何かのメカの駆動回路に見えてしまいます。大電流が流れるためか、基板のパターンも太くなっていますね。抵抗は角板抵抗を使ってます。

HITAC-10II core memory driver 2
これもコアメモリのドライバだと思われる回路の一部。先ほどの放熱器付きのトランジスタが右に見えます。TOKOのマークのある大きなICのようなものが縦に並んでいますが、これは集合パルストランスです。その左側のICはトランジスタアレイのようなものだと思われます。

HITAC-10II core memory sense amplifier?
基板中央部のセンスアンプと思われる部分の拡大。TOKOのマーキングのあるICのようなものは集合パルストランスで、その両脇にカン入りのトランジスタが配置されている。パルストランスの上にはSN7524というセンスアンプICが並んでいます。パルストランスの下にはSN74H40が並んでいます。H TTLなんて、あまり見ませんよねぇ。その下のトランスよりも大きなパッケージはディレィラインでタイミング作成用。基板のグランドパターンもかなり広くとってあります。