uPD43608 cache unit
uPD43608はキャッシュメモリとその制御回路をワンチップに集積したキャッシュユニットです。キャッシュメモリ容量は8
KByteで1ライン16 Byteの4ウェイセットアソシアティブ方式で制御されています。サポートするアドレス空間は256
MByte、アクセスタイムは85 nsで最小サイクルタイムが125 nsと高速です。複数のキャッシュユニットを使用してキャッシュ容量を増やすことも可能です。
と、まぁアクセスタイムのあたりで時代を感じてしまったかもしれませんが、このuPD43608は本来V60用のキャッシュメモリとして1987年頃に開発されたため、その頃に要求され、また実現可能であった性能になっています。V60用とはいえ、80386やMC68020、あるいは16
bitマイクロプロセッサでも利用することができます。キャッシュメモリにしては速度が遅そうに思えますが、当時の32
bitマイクロプロセッサを用いたシステムでは、システムバスの性能にもよりますが、1回の読み書きに250
nsから500 nsのサイクルタイムが必要なため、これでも性能向上に効果がありました。
実物がこれで、132ピンセラミックPGAパッケージに納められています。
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