MC68121はMC6801相当のマイクロプロセッサにMC6800/MC68000バスとの通信ポートを設け、ホストコンピュータからの指示に従って周辺装置をコントロールするために開発されたLSIです。姉妹品にマスクROMを内蔵したMC68120があります。表題のIPCはIntellegent Peripheral Controllerの略です。
バスとの通信ポートは、同種の8041などとは異なり単なるI/Oポートでなくて、128 Byte分の2ポートメモリ(MC68121からも外部バスからも読み書きできる共有メモリ)と6個のセマフォレジスタ(排他制御用)が用意されています。
反射の具合で見にくいですけどMC68121で1983年製。1 MHzクロックバージョン。
ピン配置を手がかりに機能について説明します。
VSS 1 48 RESET* IRQ1* 2 47 P24:TDATA:I/O BA*(1) 3 46 P23:RDATA:I/O E 4 45 P22:SCLK: I/O:PC2 SR/W* 5 44 P21:TOUT: I: PC1 DTACK* 6 43 P20:TIN: I/O:PC0 CS* 7 42 SC2:R/W* SA7 8 41 SC1:AS SA6 9 40 P30:A0/D0 SA5 10 39 P31:A1/D1 SA4 11 38 P32:A2/D2 VCC 12 37 P33:A3/D3 SA3 13 36 P34:A4/D4 SA2 14 35 P35:A5/D5 SA1 15 34 P36:A6/D6 SA0 16 33 P37:A7/D7 SD0 17 32 P40:A8 SD1 18 31 P41:A9 SD2 19 30 P42:A10 SD3 20 29 P43:A11 SD4 21 28 P44:A12 SD5 22 27 P45:A13 SD6 23 28 P46:A14 SD7 24 25 P47:A15 (1) 3番ピンのBA*とあるのはHALT*/BA*とNMI*の兼用入出力端子。
左側の24番ピンまでが主にホストCPU用のシステムバスからのアクセスに使われる信号で、25番ピンからがMC68121のローカルバスやI/Oのための信号となっています。
SA0 - SA7がシステムバスからMC68121内のリソースをアクセスする際のアドレス入力で、SD0 - SD7が同じくデータ入出力です。非同期インターフェースの場合、CS*, SR/W*, DTACK*でタイミングを取り合います。同期式インターフェースの場合、DTACK*を常にLにしておいて、CS*, E, SR/W*でタイミングを決めます。
P30 - P37, P40 - P47, SC1, SC2は、本来は多機能の端子ですが、MC68121は内部ROMがないために外部メモリをアクセスする必要があるため、必ず上記のA0/D0 - A7/D7, A8 - A15, AS, R/W*として使われます。内部ROMを持つMC68120の場合には動作モードによって入出力ポートに利用することも可能です。
また余裕ができたら続きを。
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