National Semiconductorの2107B相当品であるMM5280N-5で、アクセスタイム250
ns、サイクルタイム470 nsのもの。
アドレス信号も各ピンに1本ずつ割り振られ、Z80 CPUに接続して使用するにはアドレスマルチプレクサが不要で当時ベストのD-RAMでした。
しかし、4 Kbit D-RAMには別に強力なライバルがいました。MOSTEK社が推進するMK4096系列です。2107の3トランジスタ1コンデンサ方式でなく、1トランジスタ1コンデンサ方式で1
bitを記憶するため集積度が高く、アドレス信号を2回に分けて入力するため、小型の16ピンパッケージに納められていて、22ピンの2107よりも実装密度を高められました。
市場の判定は実装密度の高いMK4096系列を支持し、以降、ダイナミックメモリの回路方式のスタンダードはMK4096を踏襲することになります。メモリICのIntel社が、メモリの主流のダイナミックメモリの指導的立場を失って他のメーカの後塵を拝した始まりが、この4
Kbit D-RAMでした。もっともIntel社はUVEPROMやFLASHメモリなどMOSのPROMではずっと地位を保っていますけど。
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