このHD46503はIBM3740フォーマット専用で、1セクタあたり128 Byteの単密度しかサポートしません。倍密度のディスクの読み書きはできません。もちろん本来は8インチディスクを前提にしていますが、ドライブ用のタイミングクロック周波数を半分にすることで、なんとかミニフロッピディスクドライブにも応用することができます。もちろん、その場合も128
Byte単密度固定ですから、ミニフロッピディスク1枚あたり80 KByteとか、がんばって両面使用しても160
KByteとかの容量にしかなりませんけど。8インチでも250 KByteとか500 KByteの容量しかサポートできません。
資料を読んだ限りでは、10種類のシンプルでそれなりに強力なマクロコマンドやレジスタの数が比較的多くて機能が分かれていて使いやすそうだったりと、倍密度をサポートしない点以外に機能的には特に悪いところも見つかりません。しかし、両面倍密度のディスクドライブが主流になっていく傾向があったため、そちらへの互換性がないHD46503は使いにくいでしょうね。ほぼピンコンパチブルで倍密度に対応したファミリLSIが開発されていれば別でしょうけど、WD1793とかuPD765の系列ばかりが使われていましたし。あまり使用例がなくてユーザが少ないとプログラマやハードウェア設計者の経験を活かすためにも売れているLSIを採用するケースが多いでしょう。
詳細については後ほど。
Return to IC Collection