上はオリジナルのuPD7220で、下は改良版で高速化されたuPD7220A-1。ほかにCMOS化してさらに機能追加したuPD72020が存在する。
マイクロプロセッサ側から見れば、8 bitバス幅の普通のI/O周辺LSIで、8080Aや8085、Z80などにも簡単に接続できます。もちろん、8086などの16 bitマイクロプロセッサに接続することも容易です。GDCが管理する表示リフレッシュ用メモリ(VRAM)は1 Word 16 bit構成で256 KWordまで接続できるようになっています。もちろん、解像度や色数によっては少ないメモリで済みますし、文字表示専用に使用するなら相当少ないメモリでも実用的です。GDC管理下にあるVRAMには、マイクロプロセッサからGDCの内部レジスタにコマンドを書き込むことでアクセスできます。そのため、マイクロプロセッサのメモリ空間に存在する必要はありません。8 bitのマイクロプロセッサでメモリ空間をバンク切り替えしたりして無理にVRAMをアクセスできるようにしなくても、充分に効率的にアクセスできます。GDCを通してVRAMとメインメモリの間でDMA転送を行うこともできますから。ただし、16 bit CPUになってくると、そのような手法よりマイクロプロセッサが直接VRAMにアクセスした方が高速になる場合があり、特に時代が下がって16 bit CPUが高速化されてくるとその傾向が強くなります。そのため、システムによってはGDCを迂回してマイクロプロセッサがVRAMに直接アクセスするための回路を付加するものもあります。
他に主なスペックとして、次のようなものがあげられます。
GDCのコマンドだけ簡単に並べてみます。
コマンド名 | 役割 |
RESET | 初期化と表示の停止 |
SYNC | 動作モードと同期信号タイミングの定義 |
MASTER/SLAVE | マスタ動作とスレーブ動作の選択 |
START | 表示開始 |
STOP | 表示停止 |
ZOOM | 拡大表示係数と拡大描画係数の設定 |
SCROLL | 表示開始アドレスと表示領域の設定 |
CSRFORM | 文字表示時のカーソル形状指定 |
PITCH | VRAMの水平方向Word数設定 |
LPEN | ライトペンアドレスの読み出し |
VECTW | 直線・四辺形・円弧・点などの描画パラメータの設定 |
VECTE | VECTWで指定したパラメータに基づいて描画実行 |
TEXTW | グラフィックテキスト情報設定 |
TEXTE | グラフィック敵視と描画実行指示 |
CSRW | 描画アドレスの設定 |
CSRR | 描画アドレスの読み出し |
MASK | マスクレジスタ値の設定 |
WRITE | VRAMへのデータ書き込み |
READ | VRAMデータの読み出し |
DMAW | VRAMへのDMA転送 |
DMAR | VRAMからのDMA転送 |
基本的に表中のVECTWコマンド以降が描画用のコマンドで、それより前が初期設定用のコマンドになっています。もっともLPENコマンドはそのどちらでもありませんし、ハードウェアスクロールさせながら描画するような場合にはSCROLLコマンドも使用する必要がありますけど。
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