はじめに

non object

コレクションの契機など

マイクロプロセッサが出現して、それほど苦労せずに秋葉原の店頭で購入できる入手できるようになってから、それらを利用して自分で使うコンピュータを作製していました。新しいLSIが出現するたびに、それを利用した機械を作っていたわけです。と、自然と過去の部品が集まってきます。32 bit CPUが普通に使われるようになってくると、その性能を引き出すには多層基板で実装しないと困難になってきたりして、なんか興味が過去の方に向いてしまって、手元になかった昔のCPUなんかも集めるようになってしまいました。そんなになってくると、知人からも寄付してもらったりとか、ジャンクの集まるところに出向いて古いチップを探すとかでこの程度にはなりました。気が向いたときに組み上げることもありますが、手元に置いて、たまに来た誰かに見せびらかすだけなのもなんなので、こういう場所で見せびらかすことにしましたってことです。
原則は動態保存で、できるだけすぐに火を入れられる状況にしておきたいのですが、時間と資料の不足で動作を確認していない石も中には混じっています。また、1980年前後には普通に入手できたLSIであっても、当時の私に関心がなければ、もともと自分で使うために集めていたわけで、持っていません。それなりのファンのいた、SC/MP系とかTLCS-12Aとか、かなり抜けがあります。残念ながら、ジャンクで偶然手にする機会は時間が経つに従ってどんどん減っていることと思います。4004の資料とか、あるいは私の所持していないLSIなどを処分しようかという方は、連絡をいただけたらありがたいと思います。
逆に、技術的興味のために動かしたい石があるのだが資料がわずかに足りないなんて方には協力できるかもしれません。そのついでに何かネタでも提供していただくとありがたいんですが。個別項目にはあまり技術的内容を書いてないので、読んでも無駄ですよ。まさか当時の資料から勝手にPDFファイルを作ってダウンロードできるようにしてあったりするわけないんだから。この文書の末尾にコンタクトフォームへのリンクを作りましたので、それを利用してご連絡を。

追記:一周年のご挨拶

1999年11月16日
この「半導体コレクション展示会場」を作成しはじめてから一周年経ちました。現在、html文書が198項目1300 KByteになり、画像や図が338項目4770 KByteほどになりました。始めたときには、まぁ1年はほぼ毎日なにかしら書いていこうというようなことを考えたので、こんなふうに数KByteずつ書き足してきたんですけど、さて1年経って、そろそろモノ作りとか別の方にも手をつけたいなということもありますし、しばらく先には更新間隔が開くかもしれません。
2月から始めたインデックスページのカウンタも、現在はTTL ICの型番くらいになっていまして、予想では約9.5ヶ月でせいぜいRCAの標準CMOSシリーズの型番くらいだと思っていましたから、ちょいと意外でした。なにしろ、この「半導体コレクション展示会場」の第一の目的はコレクション自慢というわけで、それほど有益な情報ってはずはないですからね。少なくとも最新技術情報なんてのとは無縁のはずです。さらに、毎日更新しているとはいえ本当に少しずつ、しかも掲示板の類もないので、毎日見にくる必要もない。月1回の巡回で事足りるのではないかと。最近はしばらく比較的多いアクセス数ですけど10月上旬など1日のカウンタ増分が11とか13とかいう日が続いたりして。で、たまにどこか人の多いところでネタにされることがあるらしくて、カウンタが1日に100以上増えるなんてことが2回だか3回だかありました。
さて、そんなふうにある程度の回数は読まれているとなると、どう読まれているのかはやはり関心があります。やっぱり何かの話の種にちょっと見にくるっていうパターンが大部分でしょうか。どちらかというと、そういう人には嫌がらせになるくらいに文章を書いてあるものも増えてきました。嫌がらせの意図がないかというと、実際はそういう気持ちもないわけではないんですけど、じっくり読めばアーキテクチャの概要がわかる程度にはプロセッサ関係なんか整備しようかなと。さらっと眺めて知識を仕入れて誰かに知ったかぶりの知識を振りまくには不適当な程度のしつこい文章にしておこうというあたりが悪意です。
(「更新日誌」の11月16日分より、ご挨拶に代えて。というか、ほんとに挨拶にもなってないな。まぁ、そんな気分でやっているということで。)

分類法について

それほど体系的に美しく分類する気はないので、特定のICを探すのには手間取るかもしれません。ここでは原則としてメーカー別分類を行っています。CPUと、そのCPUに関係の深い周辺LSIやパラレル・シリアルインターフェース用LSIをまとめ、そのオリジナルを開発したメーカーごとに分類しています。セカンドソース製や特定のCPUに接続するために別のメーカーが開発したLSIも同じ場所に入れてあります。ただし、CRT表示や時計など、特定のCPUとの関係が薄いと思われるものは独立した分類にしてあります。

使用上の注意

文中でμという文字についてuで代用しています。特にマイクロアンペアという単位はuA、マイクロ秒はusと表記しています。ご注意ください。
デジタル回路で負論理の信号を表す場合、信号名の上にバーを引く表記法が通常使われています。ここでは、信号名の後にアスタリスクを付けることで表記しています。たとえばRESETという信号が負論理の場合、RESET*と表記します。なお、一部信号では負論理の表現を省略している場合もあります。
ここでは単位に付ける接頭辞でkとKを区別してます。kという接頭辞は単位の1000倍を意味するのに対し、Kは2の10乗の1024を意味します。なお、Mという接頭辞に関しては、情報量の単位のbitかByteの頭に付くときに限り2の20乗を意味します。他の電圧や電流や質量や長さなどの単位系の頭に付く場合には10の6乗を意味します。
メモリの種別を以下のように分類します。シーケンシャルアクセス可能か、ランダムアクセス可能か。ランダムアクセスできるメモリをRAM (Random Access Memory)と表記し、ランダムアクセスできずシーケンシャルアクセス可能なメモリをSAM (Sequential Access Memory)と表記します。また、読み書き可能なメモリをRWM (Read Write Memory)と表記し、通常の条件では書き込みができず読み込みのみ可能なメモリをROM (Read Only Memory)と表記します。RAM/SAMとRWM/ROMは直交する概念であることに注意してください。つまりSAMであるROMもあれば、RAMであるRWMもあるわけです。ただし、SAMは1970年代以降、特殊なものにしか利用されてこなかったため、ここでは特に注意がなければメモリはRAMを指します。従って、特記がないRWMとはRAMの一種のRWMであり、特記のないROMはRAMの一種のROMであると解釈してください。現在はRAMばかりですが1970年代以前はSAMが一般的であり、RAMが少なかったために、D-RAMとかS-RAMのようにRAMを強調する表記が現在も残っています。実際、1970年頃まではD-SAMやS-SAMも使われていました。メモリの項ではその表現も残してありますが、そういった時代背景を考えて読んでください。

写真機材などについて

使用しているカメラはKODAK社のDC210Aです(注:1998年から2000年まで。現在は異なります)。IC類はマクロモードで最大画素数の高品質モードで撮影したものを切り出して、JPEGの圧縮率を上げてから使用しています。このデジタルカメラはマクロモードの焦点距離が20 cm固定になっているので、ほとんどのICの縮尺はほぼ同一と考えてよろしいかと思います。圧縮率を上げているのは、やはりファイルサイズを抑えるため。高画質の写真でなければって人もあまりいないでしょうし、読むのも楽でしょう。それにインターネットサービスプロバイダへのディスク使用料の支払いを押さえたい私の都合ってのもありまして。ただ、型番表示なんかがピンぼけになったり飛んでしまっているものがあるのは申し訳ありませんです。カメラのフラッシュでセラミックパッケージの中の粒子が光を散乱して、普通とは違う感じの写真になってしまっているのもありますね。商品広告なら大問題でしょうが、こういうところですから。
2000年半ばよりカメラをNikonのCoolPix990に変えました。やはりマクロモードで内蔵スピードライトを併用したものが中心です。さらにデータサイズを小さくするための工夫をしています。
基板類や箱ものなんかは同じDC210Aで通常モードの撮影が多くなっています。一部基板なんかではスキャナを使用したものもあります。スキャナはMICROTEKのMRS-600C1で、価格が安いのがとりえだったものです。でも、相当昔のものなので、今ほど安くないし遅いんですけど。コントローラは80C31だったかな。ってどこを見ているんだか。
ICの置かれている薄緑の色をした紙は、CQ出版の「'95最新高周波デバイス規格表」の裏表紙です。広告の掲載されていないのがあって、ちょうど良かったので。最初は黒い導電性スポンジの上で撮影してみたんだけど、ちょっとね。特に黒いプラスチックパッケージの見栄えが良くなかったので、あんな背景にしてみました。

保管・整理法

コレクションの大部分はHOZANのIC storage box  B-18を用いて整理しています。B-18には1枚の導電性スポンジが付属していて、そこにLSIを刺して整理できるようになっています。ただ、B-18の箱の深さには十分な余裕があり、それだけだとLSIの上に空間がありすぎて、運搬中にLSIがふたの内側とぶつかったり、スポンジから抜け落ちてしまうようなことも起きます。HOZANからは別売りで付属品と同じ導電性スポンジを購入できるので、B-18ひとつにつき導電性スポンジ2枚にして収納効率を上げるとともに抜け落ち防止の役にも立てています。
現在、B-18は6箱あり、Intelの箱とか、Motorola 8 bitとZilogの箱とか、そんなふうに分類しています。それぞれのスポンジの上では、開発順序というかファミリー別というか、それなりの秩序で並べています。もっとも、自作のコンピュータの中に使用中だったり、レールで購入してそのまま保管とか、いろいろなパターンがありますが。一応、使用するのが目的で集めているので。なんにしろ、見せるためのものではなくて、保管するための整理という感じになってます。

謝辞

私のコレクションには、寄付していただいたものが多数含まれています。
今までも、佐藤政行君より多数のLSIや拾ったゴミ、ガラスの破片などをいただきましたし(宅配便で他のジャンクと一緒に真空管を送る際には、梱包に少しは気を使ってほしいぞ。アルミ材やら何やらの隙間に裸の真空管をいくつも押し込んで送らないように。)、kondo.m様には使わなくなったメモリICなどをいただきました。
1999年5月には、加藤高広様よりMIL社の1101Aや2102、UARTのAY-5-1012とかL TTLやDTL, RTLのICまで寄付していただきました。
2000年2月には丸田様より8742を寄付していただきました。
2000年3月には久我様よりMM57109やAm9517, Am9519などを寄付していただきました。
2001年2月には鈴木様よりCOSMACやIM6100やAm29000などを寄付していただきました。
2001年7月には林様よりuPD8080AやAm9080などのほか、AIM-65の回路図コピーを寄付していただきました。
2001年9月にはクリアパルス(株)の森様よりSC/MP KITやCromemco 102コンピュータシステムなどを寄付していただきました。また松尾様よりi860を寄付していただきました。
どうもありがとうございます。